熊本

熊本では、近藤良平(振付家・ダンサー・「コンドルズ」主宰)をリーディングアーティストに迎え、熊本県内を巡りながら現地の表現者たちと出会いパフォーマンスを作り上げていく“巡回型”の新たな東京キャラバンのスタイルを創出。
近藤の呼びかけにより、東京キャラバンのコンセプトに賛同した最強メンバーで結成された“熊本めぐり音楽隊&アーティスト”(以下「音楽隊」)とともに最初に訪れたのは、山鹿市。歴史ある芝居小屋・八千代座を起点に“東京キャラバン in 熊本”のオリジナルソングを奏でながら練り歩きをスタート。すると、どこからともなく街の人が集まり、目的地点のさくら湯前でのライブパフォーマンスは喝采を浴び、夕暮れ時の山鹿の街に温かく迎え入れられました。2日目の八千代座では、山鹿を代表する伝統芸能、山鹿灯籠踊りと出会い、西洋楽器のジャズ調の演奏とコラボレーションするなど、新しい表現が生み出されました。3日目は和太鼓「Atoa.」が合流。熊本かがやきの森支援学校で地元・千原太鼓保存会の子供たちと交流し、熊本県太鼓連盟の若手精鋭集団であるチーム熊本とともに創作活動を実施。音楽隊と和太鼓「Atoa.」が一人ひとりの表現の可能性を引き出していきました。4日目はハイヤ踊りと出会うべく天草へ。八王子にも参加した天草拓心高等学校郷土芸能部に元気いっぱいに迎えられ、音楽と踊りに分かれてワークショップが始まり、新しいダンスミュージックと振り付けが生まれました。5日目は公募した現地パフォーマーを交えて集大成となる最終日のパフォーマンスのための創作活動を行いました。
そして迎えた最終日。生憎の天候により会場を熊本城からびぷれす広場へ変更しましたが、各地で出会ったアーティストが一堂に会し、ダイナミックなパフォーマンスを披露。無音の中の踊りから始まった山鹿灯籠踊りに会場は息を呑み、音楽隊チャンキー松本の切り絵ショーで笑い声につつまれ、アフロビートと掛け合わさったハイヤ踊りは、近藤の斬新な振り付けが躍動の起爆材となり、会場を一気にトランス空間へ。興奮覚めやらぬまま迎えたラストの“東京キャラバン in 熊本”オリジナルソングでは、参加アーティスト、観客が一体となり大きな手拍子が沸き起こりました。初めて体験するできごとに各地で大きな反響を呼び、熊本の6日間で延べ2,900人以上が参加し大いに賑わいました。

八王子

「踊り」をテーマにした八王子のキャラバンでは、近藤良平(振付家・ダンサー・「コンドルズ」主宰)が東京キャラバンに初参加し、総監修の野田秀樹とタッグを組み、観客が参加して一緒に作り上げていく“参加型”東京キャラバンに挑戦。
まずはそれぞれの踊りのレクチャーを受け、参加者全員で学び、ロカビリー、パラパラ、ジュリアナなど50年代から現代までの踊りや、沖縄から東北まで、各地の伝統の踊りを融合させた唯一無二の「踊り」を創作していきました。快晴の空の下、沖縄の琉球舞踊とジュリアナ・ディスコダンスとのコラボレーション、仙台すずめ踊り、ハイヤ踊り(熊本県立天草拓心高等学校郷土芸能部)とパラパラのコラボレーションなど、“東京キャラバン in 八王子”でしか出会うことのない「踊り」を堪能。琉球舞踊やパラパラに合わせて、地元・八王子芸妓衆が参加者とともに舞う姿は、東京キャラバンならではの“文化混流”となりました。野田が“東京キャラバン”アンサンブルと創り上げ、京都・二条城で発表した「夏の魂の中で」を披露する場面も。
広大な会場の中心には、現代アーティスト・日比野克彦デザインの、東京キャラバン特製「やぐら」が登場。参加者が“ライン引き”を使って思い思いの地上絵を描き、会場を盛り上げてくれました。段ボールを使ったお面づくりや、紙や絵具を使った衣装づくりのワークショップも実施し、小さな子供からお年寄りまで参加者の笑顔あふれる“東京キャラバン in 八王子”となりました。
初の“参加型”東京キャラバンは、多様なアートと古今東西のダンスや伝統舞踊など様々な文化が交じり合い「他では決して味わうことのできない」新しいアートパフォーマンスを創り上げ、延べ約1,700人の参加者と共に踊り尽くす2日間となりました。

京都・二条城

東京キャラバン2017は、独自の素晴らしい文化を誇る京都から始まりました。亀岡での創作ワークショップを経て、世界遺産・二条城に特設ステージを組み上げ、2日限りの”文化サーカス”として、京都ならではのパフォーマンスを披露。
夕暮れが二条城を幻想的に染め始める頃、唐門をくぐり会場に入ってくる観客を出迎えるのは、「食」を通して感覚に感激を呼び起こす「感情のテイスト」をサーブするパフォーマンスを行うフードクリエイション。音楽家・原摩利彦が紡ぎだす幻想的な音のインスタレーションとフードクリエイションによる独特のパフォーマンスで、観客は大いに五感を刺激されました。現代美術家・名和晃平の彫刻した2本の作品”エーテル”に光が投影され銀色に輝き始めた瞬間、オープニングの鈴の音が響き、鮮やかな着物を纏った祇園甲部の芸妓・佳つ菊と、舞妓・豆千佳が、若手アーティスト木村舜の作品の中からイリュージョンの様に出現。現代のテクノロジーを駆使した村田製作所チアリーディング部(球乗り型ロボット)と芸舞妓による愛らしい舞の共演や、祇園祭鷹山保存会 囃子方の演奏に、力強い仙台の和太鼓や、”東京キャラバン”アンサンブルによる身体表現が加わり、古今東西が融合するパフォーマンスを披露。津軽三味線やヴァイオリンなど、和と西洋の楽器による息の合った演奏にのせ、書道家・青柳美扇が今回のキャラバンにとって大切な一文字である「魂」を漆黒のキャンバスに黄金色でダイナミックに描くなど、”文化混流”した表現が次々と展開されました。
野田秀樹が書き上げた物語「夏の魂の中で」を、女優 松たか子が朗読。その物語に”東京キャラバン”アンサンブルの身体表現が交わり、幻想的な世界が立ち上がる。さらに、松たか子と中納良恵/EGO-WRAPPIN’が「椰子の実」をアカペラ歌唱。二条城に響き渡る美しい歌声に合わせ、能楽師・津村禮次郎が美しくも勇ましく舞うシーンに会場が酔いしれ、ジャンルを超えた芸術・文化が打ち解け、混じり合う瞬間に生み出される”果てしない表現の豊かさ”を感じさせました。
パフォーマンスは、多数の事前申し込みの中から抽選した約850人(2日間)が観覧。会場のみならずインターネット生中継は全国各地で7,000人以上が視聴。日本各地より多くの反響をうけて、大盛況のうちに”文化サーカス”は閉幕しました。

※本文中の「祗園」の「ぎ」は、システム上のフォントの都合により「示」へんにて表示されますが、正しくは「ネ」へんとなります。

京都・亀岡

東京キャラバン2017は、独自の素晴らしい文化を誇る京都から始まりました。亀岡のワークショップでは、普段出会うことのない様々なジャンルの表現者たちが出会い、二条城でのパフォーマンスに向け、お互いの表現を披露し合いながら融合することで、今までにない新たな表現を生み出す創作活動を行いました。祇園のお囃子の音色に導かれるように、会場には2日間でおよそ800人の観客が訪れ、表現者たちが“文化混流”しながら新しい表現を創り上げていく様子をご観覧いただきました。
ワークショップには、総監修を務める野田秀樹や2015年より参加している女優の松たか子に加え、「食」を通じて表現するアーティスト・諏訪綾子/フードクリエイション、甲冑を纏い力強い「書」のパフォーマンスを行う書道家・青柳美扇などが初参加しました。また、京都を拠点とする文化の表現者として、佳つ菊(祇園甲部芸妓)、豆千佳(祇園甲部舞妓)、祇園祭鷹山保存会 囃子方、村田製作所チアリーディング部(球乗り型ロボット)が参加し、“東京キャラバン in 京都”ならではの、新しい表現を創り上げていきました。さらに、2015年の東京キャラバン始動より、キャラバンが訪れた各地で出会い創作を重ねてきた、津軽三味線「小山会」、仙台を拠点に活動する和太鼓「Atoa.」、“東京キャラバン”アンサンブル、振付家・井手茂太らもワークショップに参戦。
「普段出会わないもの同士の交わりから新しい何かを見出す。」その野田の言葉通り、参加アーティストらが日常にない交わりを楽しみながら活き活きと表現する姿に引き込まれるように、会場に集った多くの観客が見守り、反応してくれる素晴らしい創作の場となりました。

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